カウンセラーやセラピストとして活動している方、目指している方、カウンセリングを受けようか悩んでいる方へ『脳科学・認知行動療法』の概要を分かりやすく説明します

コラム

この記事を読む前に・・・

認知行動療法はひとつの指針であり、技法に過ぎない

こんにちは!HYGGEリトリートサロン代表セラピストのMikaです。
心理学と体の健康について学び始めて2年ほどになりますが、今回はカウンセリングのひとつの両方でもあり、長らく学んでいた『脳科学・認知行動療法』について感じたことを書き残していきます。
認知行動療法とは、カウンセリングというひとつの括りの中にある技法のひとつで、他の技法と比較すると結構その人の心のより深い部分に突っ込んでいくものになります。

そのため、あくまで有効と判断したならば活用してみてもいいし、有効ではない・今のタイミングではないと判断したら無理して行う必要はありません。

  • 現在カウンセラーとして活動している方
  • カウンセラーとして認知行動療法を取り入れようか検討中の方
  • 認知行動療法を取り入れたカウンセリングを受けてみるか検討している方

こんな方々にとって、参考になる記事となれば幸いです。

「学ぶ」とは「体感」するということ

これはどんな学びや物事にも当てはまることですが、大前提として「知識」や「勉強」とは「体感」して始めて身に付き、他の人にも伝えていけたり効果的に使っていけるものです。

例えば、野球についてルールに詳しかったり上手なバットの振り方の知識はあっても、いざ試合の場で知識通りのプレーができなかったらプレイヤーとしては成り立ちません。

『知識だけあっても役には立たない』

という状態になってしまいます。
そのためには「何かを知りたいな」「こんなことができるようになりたいな」と思った時にできる限り「自分ごととして捉える」スタンスで学んでみてください。ここに気づくか気づかないかで、同じ時間をかけて学んだり努力をした後の結果は大きく変わってきます。

ベースとなる「人間観」を振り返ろう

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、『人間観』とは

『人に対する心のあり方や、人に対してどのような見方・考え方をするかということ』

これはどの職業・立場・年齢・人種に関わらず、人間としてのあり方や土台やベースの部分に当たると言えます。

例えばどんなにテストで優秀な成績を修めていようと、社会的な肩書きがあろうと、ハイテクな機械を使える機会があったとしても、このベースとなる人間観の部分が歪んでしまっていたり、倫理に反するような企みが根底にあると、使う道具の機能がしっかりと機能しないですし、本来の目的と間違った方向に向かってしまいます。
この人間観について詳しくはまた別の機会にお話ししますが、ここでお伝えしたかったのは

  • 過去の自分はどんな経験をして、その結果から何を学び今に至っているのだろう?
  • 今の自分は、どんな状況や環境にいてどんな考え方をしているだろう?
  • 未来の自分はどうなりたいと考えているのだろう?そのために今は何をしているのだろう?

この過去・現在・未来の3つについて少し考えてみたり、必要であれば紙などに書き出してみてもいいと思います。

学びというのは、その人が学ぶタイミングや心身の状態によっても受け取る情報や吸収する事柄も大きく変わってくるものです。ぜひこの機会に振り返ってみてくださいね。

脳科学を学ぶ意味

心の不調は物理的な原因だけでなく「脳」の働きの影響も大きい

「物理的に体に怪我を負ったり負傷をした」「体の外からウイルスが体内に侵入し、病気になった」という不調などを除き、特に「精神的な不調やメンタルヘルスの悪化」「これといった病名はないけど何となく体の調子が悪い」と感じる時の原因は、皆さんがお持ちの脳に関係している可能性が非常に大きいです。

その理由をざっくり簡単に言うと、
人の体というのは

①五感(目鼻口耳触)で何かしらの刺激受ける
 ↓
②脳にその刺激が送られ、情報として処理(判断)される
 ↓
③処理された情報に対応する信号を体に送る
 ↓
④体に動きや反応として現れる

これらの過程を経て動いたり、活動をしているからです。

例えばこんな時・・・

いくつか例を挙げます。
まずは簡単な例で言うと・・・

①氷点下10度の所で肌が「寒い」「体が冷たい」と感じる
 ↓
②脳に「肌が寒さを感じている」と情報が送られ「このままだと体温が下がってしまうから、寒さを緩和する対策をした方が良い」と処理される。
 ↓
③寒さを緩和するため「寒い所から暖かい所に移動するか、体の上に上着を羽織って寒さを緩和するように」体に信号を送る
 ↓
④手元にジャンパーがあったので、体の上から羽織って寒さを緩和することができた。



次に、違う例を挙げていきます。


①上司に挨拶したら無視された
 ↓
②脳に耳や視覚から感じた「返事が返ってこない」という情報が伝わり「この上司は私のことを嫌っているのかもしれない。「上司から嫌われることは不愉快なことだ」と判断され
 ↓
「もしこれが事実だったら、この上司と今後共に仕事を進めていくことに対して不安を感じるので、もう一度上司の近くによって挨拶をしてみよう」と脳から体に指示を送る
 ↓
④上司にもう一度挨拶した所、普通に返事が返ってきた。よく見たらその上司は耳にイヤホンをしていたことに気付き、ただ聞こえていなかっただけだと分かりひと安心した。


どの行動でもそうですが「寒い!」と反射で体が動いたり、挨拶を無視されたからいきなりもう一度挨拶し直したというではなく、必ず一度情報や刺激が脳に送られ、処理された後に次の行動に至るということがおわかりいただけたでしょうか?

こうして聞くとすごく当たり前のことに聞こえますが、どの日常生活にも当てはまることなのに当たり前すぎて意外と焦点を当てられていないことでもります。

またこの脳内での情報処理の仕方によっては、体に表れる変化や行動も大きく変わってきます。

もし、体が寒いと感じているのに脳がそれを寒いと感じなかったり、危険と判断しなかったらどうなるでしょうか?
・上司に挨拶して無視されたと感じて不安なのに、もう一度挨拶してみようと脳が行動するように判断しなかったら、その後のその人の仕事や上司との関係性はどうなってしまうでしょうか?

脳の中で行われる処理や判断は非常に大切で鍵となると言えるでしょう。
そんな誰しもが持つ脳の仕組みである「脳科学」を学ぶことで、目には見えづらい心やメンタル面について理解しやすくなり、効果的なアプローチができるようになるということです。

カウンセラーが認知行動療法を学ぶ意味

その人の根本的なより深い思考や考え方の癖が分かる

通常のカウンセリングでは、主にカウンセラーとクライエントが対話を通してセッションを行うと思います。

その流れの中でカウンセラーは様々な質問をクライエントに投げかけてみたり、その方が言わんとする言葉の背景や意図をしっかりと汲み取り、共感をしながら少しずつクライエントが抱えている問題について解決に向かうよう、話を進めていくようなイメージでしょうか。

そうして話を進めていく中で、カウンセラー・クライエント共に

「いつもあることで同じつまずきをしているように感じるような?」
「問題が発生した状況が変わっても、共通して問題となる考え方があるのかな?」

と感じる瞬間や、ケースが出てくると思います。
認知行動療法を用いることで、その「共通して引っかかる考え方」の正体を明確にすることができます。

例えば、それがクライエントの「自己肯定感の低さ」からくるものなら、その原因やさらに奥にある思い込みや凝り固まった考え方に気付き、そこに至るまでの生育環境や背景を振り返ることができるのです。

これは、より根本的な解決のために大きな効果を発揮すると言えるでしょう。

対話だけだと整理できない問題を整理できる

認知行動療法では、しばしば対話をしながら言葉を文字に起こしていく手法を用いられます。
例えば、

・「感情」と「思考」がごちゃ混ぜになっているものを、文字に起こすことで分けて考えることができる
・「問題となる出来事」→「出来事に対する新しい考え方や対処」までの流れを客観的に整理し、分析することができる


人は自分にとって好ましくない出来事やストレスを感じる状況に陥った時、頭の中で様々な考えや沸き起こる感情によって混乱してしまうものです。
また、その時は自分の主観的な感情に支配されてしまう傾向にありますが、しっかりとその出来事について分かりやすく整理することで自分の感情や行動もコントロールするためのヒントとなるのです。

カウンセラー自身のメンタルメンテナンスにも使える

カウンセラー自身も人間ですから、日々感情を揺さぶられる出来事もあればメンタルの動きにも波があるのは当然と言えるでしょう。

カウンセラーは、自分自身がセラピストですのでその技術は持ち合わせています。
本来は自分以外の人と対話を通してメンタルケアを行うことが望ましいのですが、こうした認知行動療法などを用いてセルフメンタルメンテナンスに使うこともできるのです。

カウンセラー自身が自分の身に起きた出来事を振り返ったりすることで、さらに自己理解を深めることで、培われた技術をまたクライエントに向けても活用できることでしょう。

認知行動療法を日常生活にどう活かすか?

まずは自分のことをよく知ること

実際に学んだことを日常生活に使えなければ、意味がありませんね。

認知行動療法で行う技法の中には、

・「なぜこの状況に対して、自分はこんな風に感じたのだろう?」
・「怒りの感情が湧く時、自分は何に対して怒りを感じたのだろう?」
・「どんな時に自分は、この考え方が頭に浮かぶのだろう?」


このように、5W1H(what,wHy,which,when,where,How)を用いて自分の性格や言動・行動を振り返る機会がたくさん出てきます。

自分を理解しよく知ることは、日常生活をより豊かに幸せに過ごすために欠かせない事柄のひとつと言えるでしょう。

コントロールできるのは自分だけ

カウンセリングや認知行動療法のセッションを進めていくと実感されると思うのですが、常に人の行動をコントロールしたり、自分の周りで起きる出来事や環境を完全にコントロールすることは難しいです。

どんな時でも唯一コントロールできるのは自分の「考え方」「言動」「行動」です。
そして、その中でも一番簡単で今すぐにでも変えられるのが「考え方」の所になりますので、この「考え方」にアプローチすることでより自分自身をコントロールすることができ、望む結果に近づきやすくなると言えるでしょう。

答えはいつだってシンプル

ただありのままを受け入れること

ここまで脳科学や認知行動療法について様々な見解を述べてきましたが、実はその答えはとってもシンプルなものなのです。

ただ目の前で起きていること、自分の気持ちや状況について事実を歪めたり、事実以上に悲観的に捉えてしまったり、都合よく解釈するのではなく

「ありのままを受け入れること」

これに尽きるのです。
本当に、これ以上でもこれ以下でもありません。逆にこれさえできれば多くの問題は解決できてしまうと言っても過言ではありません。

遠回りするから分かることもある

人は誰しも生まれてから今まで、全員必ず違う人生のストーリーがありますし、色々な出来事や経験を積まれているものです。

その積み重ねによって出来上がった人格や性格、価値観や先入観、刷り込まれた思い込みがあるのはある意味では当たり前でしょう。
きっと本当は苦しまなくてもいいことに苦しんだことがあったり、悩む必要のないことにひたすら頭を悩ませたりすることもあったと思います。

そのこと自体は全く問題ではなくて、そうして遠回りしたり回り道をしたからこそ今がありますので、まるで意味のなかったことなんてありません。

気おくれすることなく、感じたことを振り返ってみてください。

ただ専門知識を持っているだけでは意味がない

実際に学んでみるとよく分かるのですが、しっかりと理解するためには沢山の専門用語が出てきますし、数々のテクニックも習得していくようになります。

ですが、ただその知識を蓄えているだけではせっかくの知識が埋れて腐ってしまいます。大切なのは学んだことをどうやって体言化し、活用していくかなのです。
そのためには学んだ専門用語や知識・テクニックを目の前にいる方が見ている景色や価値観、考え方に合わせながら伝えていく必要があります。

これがこの記事の冒頭で「認知行動療法は一つの技法であり、指針でしかない」とお伝えしていた真意でもあります。

この記事を読まれたことで認知行動療法への興味が深まりましたら幸いです。

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